公務執行妨害で逮捕されたら|成立する範囲と対応の流れ

公務執行妨害で逮捕されたら|成立する範囲と対応

「お酒が入っていて、警察官ともみ合いになってしまった」——公務執行妨害は、はじめから犯罪をするつもりがなかった方が突然当事者になる、という点で少し特殊な事件です。しかも現行犯逮捕されやすく、示談で解決しにくいという性質があります。この記事では、どんな行為が公務執行妨害にあたるのか、逮捕された後はどう進むのかを整理します。

目次

公務執行妨害とはどんな罪か

公務員が職務を行っているときに、暴行または脅迫を加えた場合に成立します。法定刑は3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。

対象になる公務員は警察官だけではありません。市役所や区役所の職員、消防職員、教員なども含まれます。実際の事件としては、職務質問や交通取締りの場面、駅や店舗で警察官が呼ばれた場面が多くを占めます。

「暴行」の範囲は思っているより広い

ここでいう暴行は、相手にケガをさせることを指すのではありません。公務員の身体に直接触れていなくても成立し得ます。たとえば、職務に使っている物を叩き落とす、書類を破る、パトカーを蹴る——といった行為も、職務の執行を妨げる力の行使として評価されることがあります。

「押し返しただけ」「振りほどこうとしただけ」というご本人の感覚と、法律上の評価がずれやすいのがこの罪です。ご家族から「本人はそんなつもりはなかったと言っている」と伺うことが多いのも、そのためです。

職務が適法であることが前提

この罪が成立するには、公務員の職務執行そのものが適法である必要があります。職務の範囲を超えた行為や、手続きを欠いた行為に対して抵抗した場合、公務執行妨害にはあたらないと判断される余地があります。

ただし、その場で「この職務質問は違法だ」と主張して押し通すのは危険です。適法かどうかは後から法的に評価される事柄で、現場での言い合いで決着する話ではありません。争うべき点があるなら、記録を残したうえで手続きのなかで主張するほうが現実的です。

現行犯逮捕されやすい

公務執行妨害は、警察官が目の前にいる状況で起きることがほとんどです。そのため現行犯逮捕になりやすく、そのまま身柄を取られたまま手続きが進みます。逮捕後の流れは逮捕から72時間の流れのとおりです。

また、もみ合いのなかで相手にケガをさせていれば傷害、物を壊していれば器物損壊が一緒に問題になることがあります。

実際に多い場面

  • 職務質問——応じるかどうかで押し問答になり、振り払おうとした
  • 交通取締り——違反の指摘に納得できず、書類や機器に手が出た
  • 飲食店や駅でのトラブル——別の件で警察官が呼ばれ、制止された際にもみ合いになった
  • 家庭内のトラブル——通報で臨場した警察官に対して

共通しているのは、その場で感情が高ぶっている状態で起きていることです。飲酒が絡んでいる事案も少なくありません。だからこそ、後から「なぜあんなことをしたのか分からない」となりやすく、取調べでの説明が難しくなります。

示談が成立しにくい類型です

他の事件では、被害者との示談が処分を大きく左右します。ところが公務執行妨害では、守られているのが公務そのものであるため、示談という形での解決が取りにくいという事情があります。

そのぶん、ほかの材料が重みを持ちます。事実関係を正確に整理すること、反省の内容を具体的に示すこと、同種のことを繰り返さない体制を作ること。ケガをさせた相手がいる場合は、その方への対応を別に進めることになります。

ご家族ができること

できることポイント
当日の状況を整理しておく同席者がいれば、その方の記憶も早いうちに残します
飲酒が関わる場合の対策再発防止の具体策は処分の判断材料になります
身元引受書の用意釈放を求める際の基本的な材料です(釈放されるまでの流れ
勤務先への対応連絡の仕方で影響が変わります(会社に知られるのか

よくあるご質問

Q. 酔っていて覚えていません

覚えていないことは、覚えていないと伝えるのが基本です。記憶があいまいなまま相手の説明に合わせてしまうと、その内容が調書に残ります。取調べの受け方と黙秘権もご覧ください。

Q. 触っていないのに逮捕されました

身体に触れていなくても成立し得る罪です。ただし、実際にどの程度の行為があったのかは事実の問題です。防犯カメラや同席者の記憶など、確かめられるものは早い段階で押さえておく必要があります。

Q. 前科はつきますか

不起訴で終われば前科はつきません。罰金であっても有罪判決なので前科になります。違いは前科と前歴の違いで整理しています。

Q. 罰金で終わることはありますか

この罪には罰金刑が定められているため、書面のやり取りで罰金が決まる略式起訴になることもあります。ただし内容によっては通常の裁判になります。

ファストロイヤーができること

ファストロイヤーは、逮捕・勾留直後の初動に特化した緊急接見サービスです。ご連絡をいただき次第、弁護士が警察署へ向かいご本人と面会します。公務執行妨害は現場の状況の受け取り方が争点になりやすいため、記憶が新しいうちに話を聞いておくことに意味があります。

受付は24時間365日、初回のご相談は無料です。対応エリアは東京都(島しょ部を除く全域)、神奈川県(横浜市・川崎市ほか)、埼玉県(さいたま市・川口市・所沢市ほか)、千葉県(市川市・船橋市・松戸市ほか)です。ご家族からのご依頼も承っています。

罪名別の解説:痴漢盗撮傷害窃盗飲酒運転薬物詐欺器物損壊住居侵入無銭飲食・無賃乗車迷惑防止条例違反少年事件

ご依頼の前によくいただくご質問は「よくあるご質問」にまとめています。

緊急相談ダイヤル:050-1809-2174

監修:廣瀬太亮(東京弁護士会所属)

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