傷害罪で逮捕されたら|暴行罪との違い・示談・不起訴の可能性を弁護士が解説

傷害罪で逮捕されたら|暴行罪との違い・示談・不起訴の可能性

お酒の席でのトラブル、口論の末の喧嘩——。傷害事件は、ごく普通の方がある日突然当事者になることが少なくありません。ご家族が傷害の疑いで逮捕されたら何をすべきか。傷害罪の内容、逮捕後の流れ、示談と不起訴の関係を解説します。

目次

傷害罪と暴行罪の違い

よく混同されますが、両者は「ケガをさせたかどうか」で区別されます。

  • 傷害罪(刑法204条)——人にケガ(傷害)を負わせた場合。15年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
  • 暴行罪(刑法208条)——殴る・突き飛ばすなどしたがケガには至らなかった場合。2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金など

相手が全治数日の軽いケガでも傷害罪は成立し、法定刑は暴行罪より格段に重くなります。「軽く小突いただけ」でも、相手が転倒して負傷すれば傷害罪に問われ得ます。

逮捕後の流れ

逮捕されると最長72時間以内に勾留(最長20日間の身柄拘束)をするかどうかが決まります。この間ご家族は面会できず、会えるのは弁護士だけです。詳しくは「家族が逮捕されたらまず何をすべきか」をご覧ください。

傷害事件は、被害者との関係や事件の経緯によって勾留されるかどうかが分かれます。相手と面識があり報復や口裏合わせが疑われる場合などは、勾留や接見禁止が付きやすい傾向があります。

不起訴の鍵は「示談」

傷害事件では、被害者との示談が成立すれば不起訴となる可能性が大きく高まります不起訴になれば前科はつきません。示談では治療費・慰謝料の支払いに加え、「加害者を許す(宥恕する)」旨や「処罰を望まない」旨を書面に残せると、特に有利に働きます。

ただし注意点があります。

  • 被害者への直接連絡・謝罪はNG。感情的な対立を悪化させ、示談を難しくします
  • 被害者の連絡先は検察官・警察を通じて弁護士にのみ開示されるのが通常で、示談交渉は弁護士がいなければ始められません
  • 起訴・不起訴の判断が出る前に示談をまとめる必要があり、時間との勝負です

正当防衛・過剰防衛の主張

「相手が先に手を出してきた」「身を守るためだった」という場合、正当防衛が成立すれば犯罪は不成立となります。ただし反撃が過剰だと過剰防衛として処罰対象になり得ます。正当防衛の主張は法的評価が難しく、初期の供述内容が結論を大きく左右するため、早い段階で弁護士に相談することが重要です。

傷害罪の刑罰はどのくらい?初犯なら?

傷害罪の法定刑は15年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です(刑法204条)。幅が非常に広く、実際にどうなるかはケースによって大きく異なります。実務上の目安は次のとおりです。

  • 初犯・軽傷・示談成立——不起訴(起訴猶予)となる可能性が高い類型です
  • 初犯・軽傷・示談なし——略式起訴による罰金(数十万円程度)が中心です。罰金でも前科になります
  • 全治1か月以上の重傷、凶器の使用、常習性——正式起訴され公判となる可能性が高く、執行猶予付き判決を目指す弁護活動になります
  • 前科・前歴がある、被害者が重篤——実刑(刑務所)のリスクが現実化します

ポイントは、怪我の程度と示談の有無で結論が段階的に変わるという点です。とくに軽傷であれば、示談ができるかどうかが「前科がつくか、つかないか」を直接左右します。

被害届を取り下げてもらえば事件は終わる?

「被害届さえ取り下げてもらえば終わり」と考える方が多いのですが、正確ではありません。傷害罪は親告罪ではないため、被害届が取り下げられても、捜査機関の判断で手続が続くことはあり得ます。

もっとも実務上は、示談が成立し、被害者が「処罰を望まない」という意思(宥恕)を示していれば、検察官が起訴を見送る大きな理由になります。つまり取り下げそのものではなく、示談の内容と被害者の意思が重要ということです。

傷害事件の慰謝料・示談金の目安

傷害事件の示談金は、次の要素を積み上げて算定するのが一般的です。

  • 治療費・通院交通費——実費(診断書の取得費用を含みます)
  • 休業損害——怪我で仕事を休んだ分の減収
  • 慰謝料——精神的苦痛に対する賠償。加療期間が長いほど高額になります
  • 謝罪の趣旨による上乗せ——刑事事件の示談では、民事の賠償額に加えて、宥恕を得るための上乗せを検討します

結果として、全治数日の軽傷では数十万円程度、入院を伴うケースでは100万円を超えることもあります。ただし被害者のご意向次第で大きく変動するため、相場だけを基準に交渉することはできません。金額の妥当性と、誠実な謝罪を同時に届けることが成立の条件になります。

逮捕されない場合もある——在宅事件という選択肢

傷害事件のすべてで逮捕されるわけではありません。身元がはっきりしていて、逃亡や証拠隠滅のおそれが低いと判断されれば、逮捕されずに捜査が進む「在宅事件となります。この場合、警察や検察から呼び出しを受けて取調べに応じる形になります。

在宅だからといって軽い扱いというわけではなく、起訴されれば前科がつく点は同じです。むしろ身柄拘束がない分、期限が見えにくく対応が後手に回りがちです。呼び出しを受けた段階で弁護士に相談し、取調べへの対応と示談交渉を並行して進めることをおすすめします。

やってはいけないこと

  • 被害者・目撃者への接触——口裏合わせや報復を疑われます
  • SNSでの発信・相談——特定・拡散のリスクがあります
  • 内容を確認しないままの調書署名——特に正当防衛を主張する場合、初期供述は決定的に重要です

ご家族が逮捕の連絡を受けたら

  • 留置先の警察署名を確認する(対応警察署一覧/エリア別:東京埼玉神奈川千葉
  • すぐに弁護士へ連絡する(勾留決定前が勝負)
  • 被害者への連絡・職場への報告は弁護士に相談してから

まとめ:傷害事件は示談のスピードが結果を分ける

傷害事件は「勾留されるか」「示談が成立するか」「不起訴になるか」が最初の数日〜数週間の動きで決まります。ファストロイヤーは24時間365日・初回相談無料、最短即日で接見に向かい、勾留阻止と示談交渉に着手します。

緊急ダイヤル:050-1809-2174(LINEでのご相談はトップページから)

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本記事の監修:ひろせ法律事務所 弁護士 廣瀬太亮(東京弁護士会所属)

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