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器物損壊罪は、他人の物を壊した場合に成立する犯罪です。被害者が告訴しなければ起訴されない「親告罪」であるため、示談によって事件を終わらせられる可能性が高い類型です。この記事では、成立要件と示談の進め方を弁護士が解説します。
酔った勢いで看板を壊した、口論の末に相手のスマートフォンを投げた、車に傷をつけた——器物損壊は、感情的なもつれから突発的に起こることが少なくありません。
器物損壊罪(刑法261条)の法定刑は3年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金もしくは科料です。他の財産犯と比べれば軽い部類ですが、有罪となれば前科がつきます。
「損壊」は物理的に壊す行為に限られません。物の本来の効用を失わせる行為が広く含まれます。
なお、故意がなければ成立しません。過失で壊した場合は刑事責任を問われず、民事上の賠償の問題となります。
器物損壊罪の最大の特徴は親告罪である点です。被害者による告訴がなければ、検察官は起訴できません。
つまり、示談が成立して告訴が取り下げられれば、起訴されることはなくなります。傷害や窃盗のように「示談しても起訴され得る」類型とは決定的に異なり、示談が事件の終結に直結します。
告訴には犯人を知った日から6か月という期間制限があります。この期間内に示談をまとめられるかが勝負です。すでに告訴されている場合でも、取下げてもらえれば同じ効果があります。
器物損壊の示談金は、修理費や物の時価を基礎に、迷惑料を加えて算定するのが一般的です。
金額そのものより、速やかに修理費相当額を提示し、誠実に謝罪することが成立の鍵です。
器物損壊は比較的軽い罪であるため、身元がはっきりしていれば在宅事件として扱われることが多くあります。一方、次の場合は逮捕される可能性が高まります。
逮捕された場合は最初の72時間で勾留阻止を目指し、並行して示談交渉を進めることになります。
親告罪である以上、被害者との関係を修復できれば事件は終わります。逆に放置すれば、軽微な事案でも前科がついてしまいます。早期に弁護士を立て、告訴期間内に示談をまとめることが最善の道です。
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本記事の監修:ひろせ法律事務所 弁護士 廣瀬太亮(東京弁護士会所属)