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ニュースでは「逮捕」と「書類送検」の両方が使われます。同じ事件の報道でも、片方は身柄を拘束され、もう片方は自宅にいる。この違いが何によるのか、ご家族から尋ねられることの多い点です。
結論から申し上げると、逮捕は身柄を拘束する手続き、書類送検は身柄を拘束しないまま事件の書類を検察官へ送ることです。罪の重さの違いではなく、身柄を押さえる必要があるかどうかの違いだとお考えください。
逮捕は、被疑者の身体の自由を奪って捜査機関の管理下に置く処分です。逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断された場合に行われます。
逮捕されると、警察は48時間以内に検察官へ身柄と書類を送ります。検察官は送致を受けた後、勾留を請求するかどうかを判断します。この一連の流れは家族が逮捕されたら最初の72時間で詳しく解説しています。
「書類送検」は報道で使われる言い方で、法律上の正式な用語ではありません。実際には、身柄を拘束しないまま、事件の記録だけを検察官へ送ることを指します。捜査の世界では「在宅送致」と呼ばれます。
この場合、ご本人は自宅で普段どおりの生活を続けながら、必要に応じて警察や検察の呼び出しに応じることになります。こうした進み方の事件を在宅事件といいます。
なお、身柄を拘束したまま検察官へ送ることを実務では「身柄送検」と呼びます。報道で単に「送検」とあるときは、身柄付きか書類のみかが書かれていないこともあります。
ここが最も誤解されている点です。書類送検は捜査の途中の手続きであって、処分ではありません。送致を受けた検察官が、その後に起訴するか不起訴にするかを判断します。
身柄を拘束されていないだけで、起訴されれば刑事裁判になりますし、有罪が確定すれば前科が付きます。「逮捕されなかったから軽い」とは限りません。
報道で「書類送検された」と伝えられると、それだけで処分が下ったかのように受け取られがちです。しかし実務では、送致は捜査の区切りにすぎません。むしろここから検察官の判断が始まります。
報道されるのは送致の時点であることが多く、その後に不起訴となっても、続報が出るとは限りません。世間の記憶には「書類送検された」という事実だけが残る。この非対称さが、ご本人やご家族にとっての実害になることがあります。
| 逮捕(身柄事件) | 書類送検(在宅事件) | |
|---|---|---|
| 身柄 | 拘束される | 拘束されない |
| 時間の制限 | 送致まで48時間、勾留請求まで72時間と厳格 | 明確な期限がなく、数か月に及ぶこともある |
| 家族との面会 | 逮捕直後の72時間はできない | 制限なし |
| 仕事・学校 | 離れざるを得ない | 続けられることが多い |
| その後 | 検察官が起訴・不起訴を判断 | 同じく検察官が起訴・不起訴を判断 |
逮捕するかどうかは、罪名だけで決まるわけではありません。実務では次のような事情が見られます。
同じ罪名でも、生活の基盤が安定していれば在宅で進み、不安定と見られれば逮捕される。そういう分かれ方をします。
身柄を拘束されない分、負担は軽く見えます。しかし在宅事件には別の難しさがあります。
期限がありません。身柄事件は勾留の期限が決まっているため、良くも悪くも短期間で結論が出ます。一方、在宅事件は数か月、ときにそれ以上かかることがあります。その間ずっと、処分がどうなるか分からない状態が続きます。
また、呼び出しに応じるかどうか、何をどこまで話すかを、ご本人が一人で判断することになります。逮捕されていない被疑者は、出頭を拒むことも、出頭後にいつでも退去することもできます(刑事訴訟法198条1項)。ただし正当な理由なく拒み続ければ、逮捕の必要性を高める方向に働くこともあります。判断が難しいところです。
送致にはもう一つの形があります。ごく軽微な事件では、警察が検察官へ送らずに手続きを終えることがあり、これを微罪処分といいます。この場合、検察官による起訴・不起訴の判断そのものが行われません。
ただし対象は限られており、被害が軽微で、被害者の処罰意思がなく、被害回復が済んでいるといった事情が揃った場合に限られます。どの事件でも当てはまるものではありません。
警察から連絡が来た段階で、次の点を控えておくと、その後の相談がスムーズになります。
とくに4点目が重要です。すでに供述調書が作られている場合、その内容が後の判断の土台になります。何を話したかを覚えている範囲で整理しておいてください。
「逮捕されていないのだから弁護士は必要ないのでは」というご質問をいただきます。そんなことはありません。むしろ在宅事件は、時間がある分だけ準備できることが多いのです。
いずれも、処分が出てからでは間に合いません。呼び出しの連絡が来た段階でご相談いただくのが理想です。
捜査機関から勤務先へ自動的に連絡がいくわけではありません。身柄を拘束されていない以上、無断欠勤が続くこともありません。ただし報道が出た場合は別です。詳しくは逮捕は会社にバレる?解雇される?をご覧ください。
あります。呼び出しに応じない、関係者に接触する、といった事情が生じれば、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断されて逮捕に至ることがあります。在宅で進んでいるからと軽く考えないことが大切です。
いいえ。逮捕・勾留を経ても、不起訴となる事件は少なくありません。逮捕は捜査の手段であって、処分そのものではないためです。
ファストロイヤーは、逮捕・勾留直後の初動に特化した緊急接見サービスです。身柄を拘束された場合は、ご連絡をいただき次第、弁護士が警察署へ向かいご本人と面会します。
在宅事件のご相談も承っています。警察から呼び出しの連絡が来た段階、あるいは事情を聞かれた段階でご相談いただければ、その後の対応を一緒に組み立てられます。
受付は24時間365日、初回のご相談は無料です。対応エリアは東京都(島しょ部を除く全域)、神奈川県(横浜市・川崎市ほか)、埼玉県(さいたま市・川口市・所沢市ほか)、千葉県(市川市・船橋市・松戸市ほか)です。ご家族からのご依頼も承っています。
罪名別の解説:痴漢/盗撮/傷害/窃盗/飲酒運転/薬物/詐欺/器物損壊/住居侵入/無銭飲食・無賃乗車/公務執行妨害/迷惑防止条例違反/少年事件
ご依頼の前によくいただくご質問は「よくあるご質問」にまとめています。
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監修:廣瀬太亮(東京弁護士会所属)