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詐欺事件は、逮捕されると身柄拘束が長期化しやすく、共犯者がいる場合は接見禁止もつきやすい類型です。この記事では、詐欺罪の成立要件、特殊詐欺の受け子として逮捕された場合の見通し、弁済と示談の重要性を弁護士が解説します。
「息子が詐欺で逮捕された」「アルバイトのつもりが受け子だった」——ご家族にとって、詐欺事件は事態の全体像が見えにくいのが特徴です。
詐欺罪(刑法246条)の法定刑は10年以下の拘禁刑です。罰金刑がないため、起訴されて有罪となれば実刑か執行猶予のいずれかしかありません。この点が窃盗や傷害と大きく異なります。
成立には次の流れが必要です。
この連鎖のどこかが欠ければ詐欺罪は成立しません。「だますつもりはなかった」「返すつもりだった」という主張が通れば、詐欺の故意がないとして不成立を争う余地があります。借金の返済不能と詐欺の境界が問題になるのは、この点です。
近年とくに多いのが、SNSの「高収入バイト」に応募し、現金やカードを受け取る役(受け子)・引き出す役(出し子)として検挙されるケースです。ご本人が「詐欺とは知らなかった」と考えていても、実務では厳しく扱われます。
一方で、本当に事情を知らされていなかった場合には、指示役とのやり取りの記録が故意を否定する証拠になり得ます。スマートフォンの履歴は消さず、弁護士に経緯を正確に伝えることが重要です。
詐欺事件は、勾留に加えて接見禁止がつく典型例です。共犯者との通謀を防ぐためで、ご家族は面会も手紙もできなくなります。
さらに、被害者が複数いる場合は1件ごとに逮捕・勾留が繰り返される(再逮捕)ことがあり、拘束が数か月に及ぶこともあります。この間、ご本人と連絡が取れるのは弁護士だけです。
詐欺事件では、被害弁償の有無が量刑を大きく左右します。全額を弁償し示談が成立すれば、不起訴や執行猶予の可能性が現実的に高まります。
ただし受け子として関与した場合、被害額の全体は本人が受け取った報酬をはるかに超えるのが通常です。ご家族が弁償の原資を用意できるかが、判断の分かれ目になります。一部弁償でも、誠意を示すことで量刑上の評価は変わります。
詐欺は罰金刑がなく、共犯・再逮捕によって拘束が長引きやすい類型です。だからこそ、初動で弁護人を立て、供述対応と被害弁償を同時に進める必要があります。
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本記事の監修:ひろせ法律事務所 弁護士 廣瀬太亮(東京弁護士会所属)