迷惑防止条例違反で逮捕されたら|対象になる行為と処分の見通し

「痴漢で捕まったと聞いたが、罪名が『条例違反』だと言われた」——ご家族からこうしたお問い合わせをいただくことがあります。迷惑防止条例は刑法とは別の、各都道府県が独自に定めているルールです。そのため、対象になる行為も罰則も住んでいる場所によって変わります。この記事では、どんな行為が問われるのか、逮捕された後はどう進むのかを整理します。

目次

迷惑防止条例は都道府県ごとに違う

正式な名称も都道府県によって異なります。東京都の場合は「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」といい、一般には迷惑防止条例と呼ばれています。

大切なのは、同じ行為でも、どこで行われたかによって扱いが変わり得るという点です。条文の作りも罰則の重さも一律ではありません。ニュースやインターネットで見た事例が、そのままご自身の事件に当てはまるとは限らないとお考えください。

対象になる行為

多くの都道府県で、次のような行為が定められています。

  • 卑わいな言動——衣服の上から身体を触る、正当な理由なく身体に接触する
  • つきまとい——特定の相手を待ち伏せする、うろつく
  • のぞき——住居や更衣室、浴場などをのぞき見る
  • 粗暴行為——公共の場所で人に乱暴な言動をとる
  • 不当な客引き・スカウト——路上でつきまとって勧誘する
  • ダフ屋行為——入場券などの転売目的の購入や販売

条例と聞くと軽いもののように感じられるかもしれませんが、逮捕されることも、前科がつくこともあります。刑法の犯罪ではないという理由で処分が軽くなるわけではありません。

盗撮は条例から「撮影罪」へ移りました

以前は盗撮も迷惑防止条例で処理されるのが一般的でした。しかし2023年7月に撮影罪(性的姿態等撮影罪)が施行され、現在は法律で全国一律に扱われます。罰則は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金です。

条例で処理されるのか撮影罪になるのかは、撮影した対象や状況によって分かれます。詳しくは盗撮で逮捕されたらをご覧ください。

条例違反か、刑法の罪か

身体に触れる行為の場合、条例違反になるか刑法の不同意わいせつ罪になるかで、見通しは大きく変わります。おおまかには、衣服の上からの接触は条例、下着の中に手を入れるなど程度の重いものは刑法、という整理がされることが多いとされています。

ただしこれは目安で、実際には行為の態様や継続した時間などを総合して判断されます。当初は条例違反として捜査が始まり、後から罪名が変わることもあります。痴漢事件全般の流れは痴漢で逮捕されたらにまとめています。

罰則の重さ(東京都の場合)

区分 罰則
卑わいな行為 6月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金
常習と認められる場合 1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金
つきまとい 6月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金

同種の前歴があると「常習」として重く扱われることがあります。また罰金刑が定められているため、書面のやり取りで罰金が決まる略式起訴で終わる例も少なくありません。金額は地域と事案によって異なります。

逮捕された後の流れ

駅や路上で現行犯として捕まる形が多く、そのまま警察署で取調べが始まります。逮捕から先の時間の進み方は逮捕から72時間の流れのとおりです。

この類型は、被害者と面識がなく、被害の申告と本人の説明が食い違いやすいという特徴があります。そのため身元がはっきりしていても勾留がつくことがあります。早い段階で釈放を求める手立ては釈放されるまでの流れで整理しています。

示談が持つ意味

被害者のいる事件ですので、示談が成立しているかどうかが処分を大きく左右します。示談が整えば不起訴になる可能性が出てきます。

ただし、ご本人やご家族が直接連絡を取ることはできません。被害者の連絡先は捜査機関が管理しており、弁護人を通じてしか話を進められないのが通常です。接触を試みること自体が、証拠隠滅を疑われる材料にもなります。

やっていないと考えている場合

混雑した車内などでは、身に覚えがないまま疑われることがあります。このとき最も影響が大きいのは、取調べで何をどう話し、何に署名したかです。その場を早く終わらせたいという気持ちから認めてしまうと、後から覆すのは容易ではありません。

署名を求められたときの考え方は取調べの受け方と黙秘権にまとめています。

ご家族ができること

できること ポイント
身元引受書の用意 釈放を求める際の基本的な材料です
当日の行動を確認する 移動の記録や同行者の記憶は早いうちに残します
勤務先への対応を決める 連絡の仕方で影響が変わります(会社に知られるのか
差し入れの準備 持ち込めるものには決まりがあります(差し入れできるもの

よくあるご質問

Q. 条例違反でも前科はつきますか

罰金であっても有罪判決ですので前科になります。不起訴で終われば前科はつきません。違いは前科と前歴の違いで整理しています。

Q. 逮捕されずに捜査されることもありますか

あります。その場では釈放され、後日の呼び出しで手続きが進む形です。考え方は逮捕と書類送検の違いをご覧ください。

Q. 住んでいる県と事件が起きた県が違います

適用されるのは事件が起きた場所の条例です。捜査もその土地の警察署で進みますので、遠方の場合は面会や手続きの負担が大きくなります。

Q. 初めてでも勾留されますか

初めてかどうかだけで決まるものではありません。被害者との関係や、事実関係を争うかどうかも判断に影響します。勾留そのものの仕組みは勾留とはをご覧ください。

ファストロイヤーができること

ファストロイヤーは、逮捕・勾留直後の初動に特化した緊急接見サービスです。ご連絡をいただき次第、弁護士が警察署へ向かいご本人と面会します。この類型は、最初の取調べでの受け答えと、示談に向けた動き出しの早さが結果に直結します。

受付は24時間365日、初回のご相談は無料です。対応エリアは東京都(島しょ部を除く全域)、神奈川県(横浜市・川崎市ほか)、埼玉県(さいたま市・川口市・所沢市ほか)、千葉県(市川市・船橋市・松戸市ほか)です。ご家族からのご依頼も承っています。

罪名別の解説:痴漢盗撮傷害窃盗飲酒運転薬物詐欺器物損壊住居侵入無銭飲食・無賃乗車公務執行妨害少年事件

ご依頼の前によくいただくご質問は「よくあるご質問」にまとめています。

緊急相談ダイヤル:050-1809-2174

監修:廣瀬太亮(東京弁護士会所属)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次