痴漢を疑われた・やっていないときの対応|逮捕・任意同行・取調べで守ることを弁護士が解説

痴漢を疑われた やっていないときの対応 逮捕・取調べで守ること

身に覚えがないのに、電車内で痴漢を疑われた。そのとき大切なのは、その場から逃げないこと、認めていない内容の調書に署名しないこと、そして早く弁護士と話すことです。逮捕・任意同行・取調べの各場面での対応を解説します。

目次

痴漢を疑われたその場でしてはいけないこと

突然「この人、痴漢です」と言われると、多くの方は混乱します。そのときの行動は、あとで「やましいところがあった」と受け取られる材料にもなります。

  • 走って逃げない。線路への立ち入りは命に関わり、別の罪にも問われます。逃げようとしたこと自体が、その後の逮捕や勾留の理由(逃亡のおそれ)として扱われます。
  • 相手の方や周りの人を押しのけたり、つかんだりしない。暴行や傷害という別の事件になってしまいます。
  • 「すみません」と謝らない。その場を収めるつもりの一言が、認めた発言として記録されることがあります。

その場でできることは、落ち着いて「私はやっていません」とはっきり伝えること、周りに見ていた人がいればその方の連絡先を聞いておくこと、そしてすぐに弁護士へ連絡することです。

駅員室についていくべきか

駅員室に行くことは法律上の義務ではありません。ただし、痴漢は現行犯であれば警察官でない人も逮捕できるため、その場を離れようとすると、周りの乗客や駅員に取り押さえられることがあります。駅員室に入ると、多くの場合そのまま警察官が呼ばれ、警察署へ移ることになります。

どちらを選んでも、早く弁護士と話すことが大切なのは変わりません。駅員室や警察署から弁護士に電話をかけたいと申し出ることもできます。

逮捕された場合:否認すると勾留されやすいのか

一般的に、否認している事件では、検察官や裁判官が「証拠を隠したり、被害者や目撃者に働きかけたりするおそれがある」と考えやすく、勾留が認められやすい傾向があります。そのため取調べで「認めればすぐに帰れる」「否認すると長くなる」と言われることがあります。

しかし、早く出たいという理由だけで、やっていないことを認めるべきではありません。認めた内容は供述調書として残り、あとから「本当はやっていない」と言っても、その調書は裁判で証拠として使われます。罰金で終わったとしても、それは前科です(前科と前歴の違い)。

否認したままでも、勾留を避けるための手段はあります。弁護士は、身元を引き受ける家族がいること、仕事や住まいが定まっていること、被害者に接触するおそれがないことを書面にまとめて検察官・裁判官に提出し、勾留が決まった場合は取消しを求めて準抗告を申し立てます(釈放されるまでの流れ)。

取調べで守ってほしい3つのこと

権利 内容
黙秘権 言いたくないことは言わなくてかまいません。黙っていることを理由に不利益に扱われることはありません。
調書の訂正 読み聞かされた調書が自分の言ったことと違えば、訂正を求めることができます。
署名・押印の拒否 内容に納得できなければ、署名も押印もしなくてかまいません。

特に、手の位置、体の向き、周りの混み具合、当時持っていた荷物などは、後で事実を確かめる上で重要になります。記憶が新しいうちに弁護士に正確に伝えてください。取調べ全般は取調べの受け方と黙秘権で解説しています。

やっていないことを示す証拠は、早く動くほど残る

痴漢事件では、被害を訴えた方の話と、疑われた方の話が食い違うことが多く、客観的な証拠が重要になります。

  • 手に付いた繊維などの鑑定:被害者の衣服の繊維が手に付いているかを調べるものです。時間が経つと手を洗うなどして失われます。警察に鑑定を求めることができます。
  • 防犯カメラの映像:駅や車内のカメラの映像は、一定期間が過ぎると上書きされます。
  • 目撃者:周りの乗客の証言は、名前と連絡先が分からなければ後から探すのは困難です。
  • 当時の状況の記録:乗っていた車両、立っていた位置、両手で何を持っていたかなどを、早いうちに書き留めておきます。

弁護士は、こうした証拠の保全を警察・検察に求めるとともに、ご本人の言い分を整理して検察官に意見を伝え、嫌疑が不十分であれば不起訴とするよう働きかけます(不起訴とは)。

その場では帰されたが、後日呼び出された場合

逮捕されずに帰宅できても、後日、警察から出頭を求める連絡が来ることがあります。逮捕されていない事件でも、捜査は続いており、起訴されることもあります(逮捕と書類送検の違い)。

呼び出しに応じる前に弁護士に相談し、取調べで何を話すか、何を話さないかを決めておくことをおすすめします。呼び出しや任意同行については痴漢・盗撮で後日逮捕されることはあるか|任意同行と呼び出しへの対応で詳しく解説しています。

ご家族から「本人はやっていないと言っている」と相談されたら

逮捕から勾留が決まるまでの間、ご家族は本人と面会できません。本人が何を話し、どんな状況にあるのかを確かめられるのは弁護士だけです。弁護士は接見で本人の言い分を聞き取り、取調べでの注意点を伝え、ご家族への伝言もお預かりします。

ご家族が警察に「本人は認めていません」と伝えても、手続きが止まるわけではありません。まずは弁護士が本人と会うことが先決です。

まとめ:やっていないなら、最初の数時間がいちばん大切です

痴漢を疑われたとき、その後を左右するのは、最初の取調べで何を話し、どの書面に署名したかです。ファストロイヤーは、島しょ部を除く東京都内と、神奈川・埼玉・千葉の一部の警察署へ、24時間365日、弁護士が即日接見に向かいます。東京都内での対応は痴漢で逮捕されたら弁護士へ(東京)をご覧ください。

24時間受付:050-1809-2174

関連する解説:痴漢で逮捕されたら/後日逮捕・任意同行/迷惑防止条例違反/取調べと黙秘権/勾留とは

罪名別の解説:痴漢/盗撮/傷害/暴行/暴行と傷害の違い/窃盗/飲酒運転/薬物/詐欺/器物損壊/住居侵入/無銭飲食・無賃乗車/公務執行妨害/迷惑防止条例違反/恐喝・強要/横領/名誉毀損・侮辱/大麻の使用罪/外国人事件/ストーカー/交通事故/少年事件

本記事の監修:ひろせ法律事務所 弁護士 廣瀬太亮

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