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「10日で出られると聞いていたのに、満期の日にまた逮捕されました」というご連絡をいただきます。再逮捕は、捜査が行き詰まったから起きるものではありません。身柄を拘束できる期間が「事件ごと」に数えられるため、立件する事件を分ければ、期間を区切り直せるという仕組みから起きています。つまり、いつ終わるのかは捜査の進み具合ではなく、あと何件残っているかで決まります。
まず、1件あたりの上限を確認します。
| 段階 | 期限 |
|---|---|
| 逮捕され、検察官に送られるまで | 48時間 |
| 検察官が裁判官に勾留を請求するまで | さらに24時間(逮捕から通算72時間) |
| 勾留 | 原則10日 |
| 勾留の延長 | さらに最長10日 |
| 合計 | 最長23日 |
この23日が過ぎれば、その事件については起訴するか、釈放するかを決めなければなりません。手続き上の期限は逮捕から72時間ですが、弁護人が実際に動けるのは、記録が検察官に渡る前の48時間です。意見書や身元引受書は送致記録と一緒に検察官の手元へ届くのがいちばん効きます(逮捕直後の流れ/緊急接見)。
再逮捕には、性質のまったく異なる2つがあります。
| 同じ犯罪事実での再逮捕 | 別の犯罪事実での再逮捕 | |
|---|---|---|
| 扱い | 原則として許されません(逮捕・勾留一回性の原則) | 実務で行われています |
| 期間の数え方 | ー | 新たに起算されます(また最長23日) |
| 回数 | ー | 法律上の上限はありません |
刑事訴訟法199条3項は、こう定めています。「検察官又は司法警察員は、第1項の逮捕状を請求する場合において、同一の犯罪事実についてその被疑者に対し前に逮捕状の請求又はその発付があったときは、その旨を裁判所に通知しなければならない。」
同じ事実での再請求がありうることを前提にしたうえで、裁判所に知らせて判断させる、という作りです。そして実際に繰り返されるのは、こちらではなく別の犯罪事実による再逮捕のほうです。別の事実であれば、身柄拘束の期間はゼロから数え直されます。
| 経過 | 何が起きるか |
|---|---|
| 1日目 | A事件で逮捕 |
| 3日目まで | 検察官に送られ、勾留が請求される |
| 13日目 | A事件の勾留10日の満期。延長されれば23日目まで |
| 23日目 | A事件は起訴または処分保留。同じ日にB事件で逮捕 |
| 以降 | B事件について、また最長23日 |
ご家族から見ると、「今日で終わりと聞いていたのに、出てこない」という形で現れます。釈放の予定が取り消されたのではなく、別の事件の手続きが始まっています。この日に何が起きるかを事前に把握できているかどうかで、会社への説明も、差し入れの準備も変わります。
| 事件の型 | どう分かれるか |
|---|---|
| 薬物 | 所持と使用(施用)が別に立件されます。押収されたものごと、時期ごとに分かれることもあります(大麻の使用罪) |
| 詐欺(特殊詐欺を含む) | 被害者ごとに1件として扱われます。被害者の数がそのまま件数になります |
| 窃盗 | 日時・場所ごとに別の事実として立ちます |
| 共犯者がいる事件 | 共犯者の供述が出るたびに、新しい事実が立つことがあります |
逆に、被害者が1人で事実も1つという事件では、再逮捕は通常は起きません。長期化するかどうかは、罪の重さではなく「分けられる事実がいくつあるか」で決まります。
起訴されると、被疑者としての勾留は被告人としての勾留に切り替わります。期間は原則2か月で、その後は1か月ごとに更新されます。
この状態のまま、別の事件について改めて逮捕・勾留されることもあります。注意が必要なのは保釈との関係です。起訴された事件で保釈が認められても、別の事件の勾留が残っていれば、外には出られません。保釈金を用意する前に、残っている事件の有無を確認する必要があります。
見通しは、押収されたもの、取調べで何を聞かれているか、共犯者がいるか、といった材料から組み立てます。ところが、ご本人は取調べの中身を外に伝えられません。接見禁止がついている場合、会えるのは弁護人だけです。
「次に何が来るのか」が分からないまま23日ごとに振り回されるのと、件数の見当がついたうえで順番を決めて動くのとでは、同じ期間でも進み方が違います。
| 場面 | できること |
|---|---|
| 勾留が決まったとき | 準抗告を申し立てます(釈放までの流れ) |
| 延長が請求されたとき | 延長の必要がないことを示す資料を出します |
| 被害者がいるとき | 示談の順序を決めます。件数が多い事件では、どれから入るかで釈放の時期が変わります |
| 接見禁止がついたとき | ご家族との面会について、一部解除を申し立てます |
| 勤務先への対応 | 欠勤が長期化する前提で、説明の仕方を整えます(会社への影響) |
費用の考え方は弁護士費用にまとめています。
Q.同じ事件で何度も逮捕されることはありますか。
原則として許されません。身柄拘束の期間に上限を設けた意味がなくなるためです。繰り返されているように見える場合、実際には別の犯罪事実として立件されていることがほとんどです。逮捕状に書かれた事実が前回と同じかどうかを確認してください。
Q.再逮捕に回数の上限はありますか。
法律上の上限はありません。ただし、立件できる事実がなくなれば終わります。何回で終わるかではなく、残っている事実がいくつあるかを見ます。
Q.再逮捕されると、前科はその分増えますか。
前科は有罪判決によって付くもので、逮捕の回数とは別です(前科と前歴の違い)。不起訴になれば前科は付きません。罰金で終わる場合の扱いは略式起訴、刑の執行が猶予される場合は執行猶予をご覧ください。身柄を拘束されずに捜査が進む形もあります(逮捕と書類送検の違い)。
Q.いつになったら面会できますか。
接見禁止がついている間、ご家族は面会できません。再逮捕のたびに付け直されることもあります。一部解除が認められるかは事件の内容によって変わりますので、まず弁護人にご確認ください。
再逮捕が続く事件でつらいのは、拘束が長いこと自体より、いつ終わるのかが分からないまま23日ごとに期待と落胆を繰り返すことです。件数の見当がつけば、会社への説明も、示談の順番も、保釈の準備も、先に組み立てられます。最初の面会で取調べの中身を確認することが、その出発点になります。
ファストロイヤーは、逮捕直後の接見に24時間365日対応しています。初回のご相談は無料です。対応エリアは東京都(島しょ部を除く全域/多摩地域を含む)、神奈川県(横浜市・川崎市ほか)、埼玉県(さいたま市・川口市・所沢市ほか)、千葉県(市川市・船橋市・松戸市ほか)です。ご家族からのご依頼も承っています。
罪名別の解説:痴漢/盗撮/傷害/暴行/暴行と傷害の違い/窃盗/飲酒運転/薬物/詐欺/器物損壊/住居侵入/無銭飲食・無賃乗車/公務執行妨害/迷惑防止条例違反/恐喝・強要/横領/名誉毀損・侮辱/大麻の使用罪/外国人事件/ストーカー/交通事故/少年事件
本記事の監修:ひろせ法律事務所 弁護士 廣瀬太亮