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「貸した金を返せと言っただけなのに」「謝罪文を書かせたら逮捕された」。恐喝罪と強要罪は、主張していること自体は正当でも、求め方によって成立してしまうという点に特徴があります。ご家族が逮捕された方に向けて、両者の違いと、示談がどこまで効くのかを整理します。
どちらも脅して相手を従わせる点は同じですが、得たものが財産かどうかで罪名が分かれます。
| 恐喝罪 | 強要罪 | 脅迫罪 | |
|---|---|---|---|
| 条文 | 刑法249条 | 刑法223条 | 刑法222条 |
| 成立するとき | 脅して金品や財産上の利益を得た | 脅して義務のないことをさせた、権利の行使を妨げた | 害を加えると告げた(相手が従わなくても成立) |
| 法定刑 | 10年以下の拘禁刑 | 3年以下の拘禁刑 | 2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金 |
| 公訴時効 | 7年 | 3年 | 3年 |
| 未遂 | 処罰される | 処罰される | — |
法定刑の差が大きいことにお気づきかと思います。恐喝罪は上限10年で、罰金刑がありません。起訴されれば公開の法廷に立つことになります。
これが最も誤解の多い点です。実際に貸したお金であっても、取り立ての手段が社会通念上許される程度を超えれば、恐喝罪が成立するというのが判例の立場です。
「払わなければどうなるか分かっているな」「会社に言うぞ」「家族にばらす」といった言葉は、相手が本来払うべきお金の話であっても、害を加える告知として扱われます。権利があることと、その通し方が適法かどうかは、別の問題として判断されます。
同じ構造は強要罪にもあります。謝罪を求めること自体は自由ですが、土下座や謝罪文を強いれば「義務のないことを行わせた」と評価され得ます。
恐喝と強盗は連続した概念です。分かれ目は、相手の反抗を抑え込む程度に至っているかどうかです。
凶器の有無、人数、場所、時間帯などから判断されます。当初は恐喝として捜査が始まり、後から強盗に切り替わることがあります。この違いは量刑に決定的に効きますので、最初の取調べでの説明の仕方が重要になります(取調べの受け方と黙秘権)。
恐喝も強要も親告罪ではないため、被害届の取り下げだけで終わるものではありません。もっとも、相手方が処罰を望まない意思を示していることは検察官の判断で重く働き、不起訴につながる場面は実際にあります。
ただし、この類型には独特の難しさがあります。恐喝で得た金品は、まず返還するのが前提です。そのうえで慰謝料を上乗せするという組み立てになりますので、「返して終わり」にはなりません。進め方は示談で解説しています。
また、もともと債権があった場合、その債権をどう扱うかを示談書に明記しておかないと、後から民事で争いが蒸し返されます。刑事の示談と債権の整理を同時に設計する必要があります。
この類型は、当事者が元交際相手・元従業員・取引先など、もともと関係のある間柄であることが多いのが特徴です。連絡を取ろうと思えば取れる関係であるため、口裏合わせや再接触のおそれがあると判断され、勾留や接見禁止がつきやすくなります。
ご本人やご家族が相手方に直接連絡を取ることは、絶対に避けてください。謝罪のつもりでも、証拠隠滅を図ったと受け取られます。弁護人が選任されていれば、捜査機関を通じて相手方の意向を確認し、承諾が得られた場合に限って話を進めるという方法が取れます。
この類型は「言った・言わない」が争点になりやすく、録音が決め手になることが多いのが実情です。やり取りの記録、送金の履歴、メッセージは消さずに残しておいてください。
また、言葉そのものは強くなくても、前後の事情から脅迫と評価されることがあります。記憶と違う内容の調書に署名する必要はありません。
| 場面 | できること |
|---|---|
| 逮捕の連絡を受けたとき | どこの警察署にいるか、いつ・どのような容疑かを確認する |
| すぐに | 弁護士に接見を依頼する。逮捕直後72時間はご家族は面会できません(緊急接見とは) |
| 相手方への連絡 | しない。弁護人を通す以外の方法を取らない |
| 資料の保全 | 貸金の記録、メッセージ、録音を消さずに残す |
| 職場への対応 | 欠勤の伝え方は逮捕は会社にバレる?を参照 |
なり得ます。債権の存在は恐喝罪の成立を当然には否定しません。問題になるのは取り立ての方法です。ただし、債権があったことは量刑では考慮されます。
恐喝罪には未遂があり、処罰の対象です。相手が応じなかったからといって不問にはなりません。
なり得ます。義務のないことを強いたかどうかで判断されます。求め方や場の状況が問われます。
恐喝罪に罰金刑はありません。終局的な処分としては、不起訴か、起訴されたうえでの執行猶予または実刑という組み立てになります。
ファストロイヤーは、逮捕・勾留直後の初動に特化した緊急接見サービスです。ご連絡をいただき次第、弁護士が警察署へ向かいご本人と面会します。この類型は、恐喝か強要か、あるいは強盗に切り替わるかという罪名の評価が最初の説明で動くこと、そして相手方への連絡を弁護人経由に切り替えられるかが結果を大きく左右します。
受付は24時間365日、初回のご相談は無料です。対応エリアは東京都(島しょ部を除く全域/多摩地域を含む)、神奈川県(横浜市・川崎市ほか)、埼玉県(さいたま市・川口市・所沢市ほか)、千葉県(市川市・船橋市・松戸市ほか)です。ご家族からのご依頼も承っています。
罪名別の解説:痴漢/盗撮/傷害/暴行/暴行と傷害の違い/窃盗/飲酒運転/薬物/詐欺/器物損壊/住居侵入/無銭飲食・無賃乗車/公務執行妨害/迷惑防止条例違反/横領/名誉毀損・侮辱/大麻の使用罪/外国人事件/ストーカー/交通事故/少年事件