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ご家族が逮捕されたとき、刑事事件の見通しと同じくらい心配になるのが、日本に住み続けられるかどうかです。ここで知っておいていただきたいことがあります。刑事手続と入管の手続は、別々に進みます。刑事事件が軽く終わっても、在留資格のほうは終わらないことがあります。
| 刑事手続 | 入管の手続 | |
|---|---|---|
| 判断するのは | 検察官・裁判所 | 出入国在留管理庁 |
| 決まること | 起訴するか、刑はどうなるか | 在留資格を続けられるか、退去強制になるか |
| 動き出すのは | 逮捕の直後から | 刑事手続が終わったあと |
刑事事件のほうが先に終わり、そのあとで入管が動きます。このため「不起訴になったから大丈夫」と安心していたところに、後から在留資格の問題が出てくる、ということが起こります。
ここがいちばん誤解されている点です。退去強制の事由は入管法24条に並んでいますが、一般の犯罪と薬物事件とで、条件がまったく違います。
| 退去強制の対象になる条件 | |
|---|---|
| 一般の犯罪 | 無期、または1年を超える拘禁刑に処せられたとき。全部執行猶予がついた場合は、原則として対象から外れます |
| 薬物事件 | 有罪の判決を受けたこと自体が条件です。執行猶予がついても、罰金で終わっても、対象になります |
つまり薬物事件では、執行猶予を取っても在留資格は守れません。有罪判決そのものが事由になるからです。不起訴は有罪判決ではありませんので、日本に住み続けたいのであれば、不起訴以外に出口がないことになります。
この構造は、大麻についても同じです。2024年12月の改正で使用そのものが処罰されるようになったため、以前なら事件にならなかった場面でも有罪判決に至ることがあります。
なお、就労や留学などの在留資格の方については、一定の罪名について、執行猶予がついても退去強制の対象とする定めが別に置かれています(入管法24条4号の2)。該当するかどうかは罪名と在留資格の組み合わせで決まります。
| 在留資格 | 考え方 |
|---|---|
| 就労・留学・家族滞在など | 退去強制の対象になりやすく、更新や変更の審査でも事件が考慮されます |
| 永住者 | 退去強制の事由は同じですが、日本での生活の実態が在留特別許可の判断で重く見られます |
| 特別永住者 | 別の法律(入管特例法)が適用され、退去強制となる場面が大きく限られています |
在留カードを確認して、どの資格なのかを先に押さえてください。ここが分からないまま見通しを立てることはできません。
逮捕された方には、本国の領事機関に連絡を取るよう求める権利があります(領事関係に関するウィーン条約36条)。本人が希望すれば、その旨が領事機関に伝えられます。
領事館は弁護活動をする立場ではありませんが、本国のご家族への連絡や、母国語での面会が可能になる場合があります。ご家族が国外にいらっしゃる場合には、この経路が助けになることがあります。
日本語でのやりとりが難しい場合、取調べには通訳人が入ります。ここで起きやすいのが、本人が言いたかったことと、調書に残る日本語がずれるという問題です。
調書は、読み聞かせを受けたうえで署名します。内容が違うと思えば、署名を拒むことも、訂正を求めることもできます。いったん署名してしまうと、後から「そういう意味ではなかった」と説明するのは簡単ではありません。
| どう出国したか | 上陸できない期間 |
|---|---|
| 退去強制を受けた(初めて) | 退去の日から5年 |
| 過去にも退去強制を受けたことがある | 退去の日から10年 |
| 出国命令による出国 | 出国の日から1年 |
退去強制の事由にあたる場合でも、法務大臣の裁量で在留を認める「在留特別許可」という道があります。日本での生活の長さ、家族の状況、反省の程度などが考慮されます。ここで効いてくるのが、刑事手続の段階で何を積み上げてきたかです。
| すること | 理由 |
|---|---|
| 在留カードの種類と期限を確認する | 見通しの前提になります。更新期限が近い場合は特に急ぎます |
| 日本での生活の記録を集める | 在留特別許可の判断材料になります。在職証明、納税の記録、家族の状況など |
| 本人に自己判断で署名させない | 通訳を介した調書は、ずれが生じやすいためです |
| 早い段階で弁護士に相談する | 勾留がつくと面会が制限されます(接見禁止) |
退去強制の事由の多くは有罪判決を前提にしていますので、不起訴であれば、その事件を理由に退去強制となることは基本的にありません。ただし在留資格の更新や変更の審査では、事件の経緯が考慮されることがあります。
一般の犯罪であれば、全部執行猶予がつけば原則として退去強制の対象から外れます。ただし薬物事件は別で、執行猶予でも対象になります。また在留資格によっては、一定の罪名で執行猶予でも対象とされる場合があります。
就労の在留資格では、勤務先との関係が在留の前提になっています。勤務先への影響は「逮捕は会社にバレる?」で解説していますが、外国人の方の場合は、退職が在留資格そのものに影響しうる点が異なります。
ご家族からのご依頼を日本語で承っています。ご本人との意思疎通に通訳が必要な場合の進め方も含めて、ご相談の中でご説明します。
ファストロイヤーは、逮捕・勾留直後の初動に特化した緊急接見サービスです。ご連絡をいただき次第、弁護士が警察署へ向かいご本人と面会します。この類型では、刑事処分の見通しだけでなく、その処分が在留資格にどう跳ね返るかを最初から織り込んで方針を決めることが結論を左右します。とくに薬物事件では、執行猶予を目指すのか不起訴を目指すのかで、やるべきことが変わります。費用については「弁護士費用の相場」をご覧ください。
受付は24時間365日、初回のご相談は無料です。対応エリアは東京都(島しょ部を除く全域/多摩地域を含む)、神奈川県(横浜市・川崎市ほか)、埼玉県(さいたま市・川口市・所沢市ほか)、千葉県(市川市・船橋市・松戸市ほか)です。ご家族からのご依頼も承っています。
罪名別の解説:痴漢/盗撮/傷害/暴行/暴行と傷害の違い/窃盗/飲酒運転/薬物/詐欺/器物損壊/住居侵入/無銭飲食・無賃乗車/公務執行妨害/迷惑防止条例違反/恐喝・強要/横領/名誉毀損・侮辱/大麻の使用罪/ストーカー/交通事故/少年事件
本記事の監修:ひろせ法律事務所 弁護士 廣瀬太亮