ストーカー規制法違反で逮捕されたら|警告・禁止命令からの流れ

ストーカー規制法の事件は、いきなり逮捕されるとは限りません。多くの場合、警察からの警告、公安委員会の禁止命令という段階を踏み、それに従わなかったときに刑事手続きへ進みます。逆にいえば、早い段階で対応すれば刑事事件にせずに終えられる場面があります。この記事では、その段階構造と、いま何ができるのかを整理します。

目次

段階を踏んで進む仕組み

ストーカー規制法は、つきまといなどの行為を繰り返すこと(ストーカー行為)を規制しています。警察の関与は、通常は次の順で進みます。

段階 内容
① 警告 警察が「やめるように」と口頭または書面で求める。これ自体に刑事罰はない
② 禁止命令 公安委員会が正式に命令を出す
③ 刑事手続き 禁止命令に違反した場合、またはストーカー行為そのものについて立件される

大切なのは、①の警告を受けた時点ではまだ前科にはならないという点です。ここで行為を止め、相手との接触を断てば、刑事事件にならずに終わることは少なくありません。この段階での対応が、その後を大きく左右します。

「つきまとい」にあたる行為

法律が挙げているのは、次のような行為です。恋愛感情や、それが満たされなかったことへの怨恨が動機になっている場合が対象とされています。

  • つきまとい、待ち伏せ、見張り、住居や勤務先の付近をうろつく
  • 行動を監視していると告げる
  • 面会や交際を要求する
  • 乱暴な言動
  • 無言電話、連続した電話・メール・SNSのメッセージ
  • 汚物などを送りつける
  • 名誉を害する事項を告げる
  • 性的羞恥心を害する事項を告げる、画像を送りつける

近年の改正で、GPS機器などを用いて位置情報を取得する行為も規制の対象に加えられています。「直接会っていないから大丈夫」とは限りません。

逮捕される場面

禁止命令に違反した場合や、行為の内容が重い場合には逮捕に至ります。また、住居侵入や脅迫、器物損壊といった別の罪が同時に問われることも多い類型です。

逮捕された場合、検察官への送致まで48時間、勾留請求の判断までを含めて72時間という流れで手続きが進みます。詳しくは逮捕から72時間をご覧ください。相手方との関係が近いため、接触のおそれがあると判断され、勾留や接見禁止がつきやすいという特徴があります。

告訴がなくても立件される

かつてストーカー行為罪は親告罪でしたが、現在は告訴がなくても起訴できます。被害届が取り下げられれば終わる、というものではありません。

もっとも、相手方が処罰を望まない意思を示していることは、検察官の判断で重く働きます。不起訴につながる場面は実際にあります。この点は、親告罪である器物損壊との違いです。

相手に直接連絡してはいけません

謝りたい、誤解を解きたいという気持ちは自然なものですが、ご本人やご家族が相手方に連絡を取ることは、この類型では特に避けるべきです。連絡そのものが規制されている行為にあたり得るうえ、警告や禁止命令に反したと受け取られかねません。

弁護人が選任されていれば、捜査機関を通じて相手方の意向を確認し、承諾が得られた場合に限って話を進めるという方法が取れます。進め方は示談で解説しています。

身に覚えがない、認識が違うという場合

交際関係の有無や、やり取りの経緯について、双方の認識が食い違うことが多い類型でもあります。記憶と違う内容の調書に署名する必要はありません。考え方は取調べの受け方と黙秘権をご覧ください。

一方で、やり取りの履歴が残っていることが多く、事実関係を確認しやすい面もあります。スマートフォンのメッセージや通話履歴は、消さずに残しておいてください。

ご家族ができること

場面 できること
警告を受けた段階 行為を止めることが最優先。この時点で弁護士に相談すれば刑事事件を避けられる場合があります
逮捕の連絡を受けたとき どこの警察署にいるか、いつ・どのような容疑かを確認する
すぐに 弁護士に接見を依頼する。逮捕直後72時間はご家族は面会できません
職場への対応 欠勤の伝え方は逮捕は会社にバレる?を参照
差し入れ 持ち込めるものに決まりがあります(差し入れできるもの)

よくあるご質問

Q. 警告を受けただけでも前科になりますか

なりません。警告は行政上の措置で、刑罰ではありません。違いは前科と前歴の違いで整理しています。

Q. 一度しか連絡していないのに対象になりますか

ストーカー行為罪は反復して行うことが要件です。もっとも、1回でも内容によっては脅迫などの別の罪に問われることがあります。

Q. 相手が元交際相手でも対象になりますか

なります。交際していた事実があるかどうかで結論が決まるものではありません。

Q. 逮捕されずに捜査されることもありますか

あります。その場では釈放され、後日の呼び出しで手続きが進む形です。考え方は逮捕と書類送検の違いをご覧ください。

ファストロイヤーができること

ファストロイヤーは、逮捕・勾留直後の初動に特化した緊急接見サービスです。ご連絡をいただき次第、弁護士が警察署へ向かいご本人と面会します。この類型は、警告の段階で動けるかどうか、そして相手方への連絡を弁護人経由に切り替えられるかどうかが結果を大きく左右します。

受付は24時間365日です。対応エリアは東京都(島しょ部を除く全域)、神奈川県(横浜市・川崎市ほか)、埼玉県(さいたま市・川口市・所沢市ほか)、千葉県(市川市・船橋市・松戸市ほか)です。ご家族からのご依頼も承っています。

罪名別の解説:痴漢/盗撮/傷害/暴行/窃盗/飲酒運転/薬物/詐欺/器物損壊/住居侵入/無銭飲食・無賃乗車/公務執行妨害/迷惑防止条例違反/恐喝・強要/横領/名誉毀損・侮辱/大麻の使用罪/外国人事件/交通事故/少年事件

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